古代のガラス2

ガラスが製造されてからしばらくは、ガラス宝石などと同等の価値のものとして扱われていたため、ガラス製品を所有する事ができたのは一部の権力者のみであった。 その理由としてはガラス製造にかかるコストの大きさだろう。 製品の形に石を彫って制作された鋳型に、ガラスの素となる粉末を流し込み、高温で一気に熱する。そのために鋳型の制作や大量の燃料を必要とした。 しかし、紀元前1世紀頃、ローマ帝国に服属されたエジプトで生まれたローマングラスがこれまでのガラス史を大きく変えることになる。 これまでガラスは入手が困難であった宝石の代わりとして人口的に造られたものであった。 ローマングラスはこれまで鋳型を使って行っていたガラス製造の方法ではなく、鉄のパイプの先につけたガラス種を吹いて、シャボン玉のようにガラスの形を生成する方法で製造される。これを吹きガラス製法と呼び、この技術の誕生によりガラスが大量生産できるようになった。そして、これまで宝物的な扱いをされ、王族や貴族達の独占物であったガラス製品は銅貨一枚で購入できる品物となり、ガラスは宝物的なものから実用品へと扱いが変化していった。この技術の進化はガラス史の中でも大きな出来事であったと言える。