太古のガラス

ガラスは今でこそ透明で平らな形状をしていますが、はるか昔のガラスはまったく違うものであった。現在のガラス加工では透明なガラスに色を付けたりするが、昔のガラスはその逆で、色のついたガラスに物質をまぜて透明にしようとしていたようだ。

こういったはるか昔のガラスは、人類が自らの手で作り出す前から自然界に存在しており、黒曜石に代表される天然ガラス、電光ガラスなどが挙げられる。 黒曜石は溶岩が冷えて固まってできたもので、石器時代から石オノや矢じりとして加工され使用された。電光ガラスは雷光ガラスともいい、落雷によって砂や石が溶解して形成されたものである。

ちなみに黒曜石は、日本では島根県隠岐の島や大分県の姫島などで発見されているが、どこでも採石できるわけではなく、その産地は特定されている。また、黒曜石の流通については、昨今の考古学の成果により説明されている。 例えば佐賀県で採掘された黒曜石が朝鮮半島の遺跡での出土が確認されているし、前出した隠岐の島の黒曜石はロシアのウラジオストクまで運ばれていることが発見されている。

ところで古代では現代のようにガラスを加工したり、ガラス修理するような道具がないのにどのようにガラス製の道具を製造していたかご存じだろうか。 当時では骨や石など硬い物質で叩き割るようにしてガラス製の道具を作り出していたようだ。